陸上の長距離走は、持久力と効率的な走り方が求められるスポーツです。これを達成するためには、特定の筋肉を効果的に鍛える筋力トレーニングが不可欠です。本記事では、長距離走において重要な筋肉と、それらを鍛えるための具体的なトレーニングメニューについて詳しく解説します。初心者から上級者まで、長距離走のパフォーマンス向上に役立つ情報を提供しますので、ぜひ参考にしてください。
長距離走で重要な筋肉とは?
下半身の筋肉
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
大腿四頭筋は、太ももの前側にある筋肉で、走行中の膝の伸展をサポートします。この筋肉が強いと、より効率的に走ることができ、持久力が向上します。
ハムストリングス
ハムストリングスは、太ももの後ろ側に位置し、膝の屈曲と股関節の伸展を行います。これらの筋肉を鍛えることで、ストライドの効率が良くなり、長距離走の持久力が向上します。
腸腰筋(ちょうようきん)
腸腰筋は、腰から太ももにかけての筋肉で、股関節の屈曲を行います。これらの筋肉を鍛えることで、膝を高く上げる動作がスムーズになり、走行時のパフォーマンスが向上します。
体幹の筋肉
腹直筋(ふくちょくきん)
腹直筋は、体幹の前面に位置し、姿勢を保持するのに重要です。強力な腹直筋は、長時間の走行でも安定したフォームを保つのに役立ちます。
腹斜筋(ふくしゃきん)
腹斜筋は、体の回旋動作をサポートし、走行時のバランスを保つのに重要です。これらの筋肉を鍛えることで、ランニングフォームが安定し、効率的な走行が可能になります。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
脊柱起立筋は、背骨の両側に沿って走り、姿勢を保持する役割を果たします。これらの筋肉を強化することで、長時間の走行でも正しい姿勢を保つことができます。
上半身の筋肉
胸筋(きょうきん)
胸筋は、腕の動作をサポートし、走行時のバランスを保つのに重要です。強力な胸筋は、上半身の安定性を高め、効率的な走行をサポートします。
三角筋(さんかくきん)
三角筋は、肩の筋肉で、腕の動きをサポートします。これらの筋肉を鍛えることで、ランニングフォームの安定性が向上します。
効果的な筋トレメニュー
下半身のトレーニング
スクワット
スクワットは、下半身全体を鍛える基本的なエクササイズです。
- 足を肩幅に開く: 足を肩幅に開き、つま先をやや外側に向けます。
- 背筋を伸ばす: 背筋をまっすぐに保ちます。
- 膝を曲げる: 太ももが床と平行になるまで膝を曲げます。
- 立ち上がる: 膝を伸ばし、元の位置に戻ります。
ランジ
ランジは、大腿四頭筋とハムストリングスを鍛えるエクササイズです。
- 足を前後に開く: 足を前後に開き、片足を前に出します。
- 膝を曲げる: 両膝を曲げ、後ろの膝が床に近づくまで下げます。
- 元の位置に戻す: 膝を伸ばして元の位置に戻ります。
レッグカール
レッグカールは、ハムストリングスを集中的に鍛えるエクササイズです。
- マシンに座る: レッグカールマシンに座り、足首をパッドにセットします。
- パッドを引き下げる: 膝を曲げてパッドを引き下げます。
- 元の位置に戻す: ゆっくりと元の位置に戻します。
体幹のトレーニング
プランク
プランクは、体幹の筋力と安定性を向上させるエクササイズです。
- 前腕を床につける: 肘を90度に曲げ、前腕を床につけます。
- 体をまっすぐに保つ: 体を一直線に保ち、腹筋を引き締めます。
- キープする: この姿勢を30秒から1分間キープします。
サイドプランク
サイドプランクは、腹斜筋を強化するエクササイズです。
- 片肘を床につける: 片肘を90度に曲げ、体を横に保ちます。
- 体を持ち上げる: 腹筋を引き締め、体を一直線に保ちます。
- キープする: この姿勢を30秒から1分間キープします。
ロシアンツイスト
ロシアンツイストは、腹斜筋を強化するエクササイズです。
- 床に座る: 膝を曲げ、足を床に置きます。
- 体を後ろに傾ける: 上体を後ろに傾け、両手を胸の前で合わせます。
- 体を左右に回す: 腹斜筋を使って体を左右に回します。
上半身のトレーニング
ベンチプレス
ベンチプレスは、胸筋と三角筋を鍛える基本的なエクササイズです。
- ベンチに仰向けになる: ベンチに仰向けになり、バーベルを持ちます。
- バーベルを下ろす: 胸に向かってゆっくりとバーベルを下ろします。
- 押し上げる: 胸からバーベルを押し上げ、元の位置に戻します。
ショルダープレス
ショルダープレスは、三角筋と広背筋を鍛えるエクササイズです。
- マシンに座る: ショルダープレスマシンに座り、ハンドルを握ります。
- 押し上げる: ハンドルを頭上に押し上げます。
- 元の位置に戻す: ゆっくりとハンドルを元の位置に戻します。
ラットプルダウン
ラットプルダウンは、広背筋を鍛えるエクササイズです。
- マシンに座る: ラットプルダウンマシンに座り、バーを握ります。
- バーを引き下げる: 胸に向かってバーを引き下げます。
- 元の位置に戻す: ゆっくりとバーを元の位置に戻します。
トレーニングの頻度とスケジュール
長距離走のための筋力トレーニングは、週に2〜3回を目安に行うと効果的です。ランニングトレーニングと筋力トレーニングをバランスよく組み合わせることで、総合的なパフォーマンス向上が期待できます。
例:週間トレーニングプラン
月曜日: ランニングトレーニング
火曜日: 下半身の筋力トレーニング
水曜日: ランニングトレーニング
木曜日: 体幹の筋力トレーニング
金曜日: ランニングトレーニング
土曜日: 上半身の筋力トレーニング
日曜日: 休息
栄養の重要性
筋力トレーニングの効果を最大化するためには、適切な栄養摂取も欠かせません。バランスの取れた食事とともに、特に以下の栄養素に注意しましょう。
タンパク質
筋肉の修復と成長に必要なタンパク質を十分に摂取することが重要です。肉、魚、大豆製品、乳製品などから摂取しましょう。
炭水化物
エネルギー源として重要な炭水化物を、トレーニング前後に適切に摂取することで、パフォーマンスを向上させることができます。全粒穀物、果物、野菜などから摂取しましょう。
脂質
適度な量の良質な脂質も重要です。魚の脂、ナッツ、オリーブオイルなどから摂取するようにしましょう。
ビタミンとミネラル
ビタミンやミネラルも重要な役割を果たします。バランスの取れた食事を心がけ、特にカルシウム、鉄、マグネシウムなどの摂取に注意しましょう。
まとめ
陸上の長距離を上達するためには、特定の筋肉を強化する筋力トレーニングが欠かせません。この記事で紹介した筋肉とトレーニングメニューを参考に、効果的な筋トレを取り入れてください。適切な栄養摂取も併せて行うことで、筋力の向上とともにパフォーマンス全体を大きく向上させることができます。長距離走のスキルアップを目指して、継続的にトレーニングを行いましょう。
この記事のライター
しょーへー
バド歴15年の社会人アスリート兼ジュニアチームコーチ。学生時代に始めたバドミントンをケガでのブランク期間を挟んで合計15年以上続けています。全国大会出場経験もあります。現在は某都道府県の代表としてプレーしながら、ジュニアチームのコーチとして学生の指導をしているアラサー社会人アスリートです。